蕎麦屋現地調査 (2005.7)

十割蕎麦 夢想庵                         場所:広島県福山市御門町3-10-22

 

 世良の夢想庵が福山に新しく店を出したと言う情報を入手したので、早速行ってみることにした。
世良の店は相当な田舎にあって、それでいて店自体や宣伝にもお金をかけて本格的に営業されているお店である程度成功されているようだ。考えてみたら福山にお店を出してもぜんぜん不思議じゃない。

 場所は緑町のサンピア正面にあってとてもわかりやすい。
店の前には3台の車が停められるが、サンピアの有料駐車場に車を停めてもその場合は200円総額から割引してくれるので助かる。

世良の夢想庵は「日本そば夢想庵」となっているのに対し、ここは「十割蕎麦夢想庵」となっていて、世良店でのスタンダードである二八蕎麦はここには無い。店の構えも世良は田舎の民家の改造版であるのに対し、ここは普通の和食の店のようで、1階はカウンターとテーブル、2階は座敷になっている。

さっそく中に入ってみると、1階が一杯だったのか2階の座敷に通された。
座敷は一部屋ずつ壁で仕切られており、そこに6人が座れる大き目のテーブルがおいてある。各部屋の入り口は障子があって外からは見られないようになっていてとても落ち着いた雰囲気。部屋の周りに使われている木は古いもので、昔ほかの店だったのを改造してあるのかもしれない。
また、その部屋には一部屋ごとにエアコンが1台と非常用照明まで付いている。

メニューの一部

盛そばが1260円!
神田”まつや”のそばが650円だからほぼ2倍。
お昼に行くといろいろ付いてくるらしいが、今回は夜だったのでそばで一番安いのがこれだ。
とりあえず「盛りそば」と「そばがき(1050円)」を注文してみることにする。

しばらくしてからその「盛そば」が出てきた。
出てきた状態 ふたを開けると
えらい大きな桐の箱に入って出てきたのにビックリ。
ふたを開けてみるとすのこが敷いてあって蕎麦が乗っている。
ずいぶん黒い蕎麦だ。


十割蕎麦にしては比較的細めで揃っている。

食べてみると十割にしては意外にしっかりしていて引っ張ってもある程度のテンションに耐えられる。
これなら温かい蕎麦もいけそうだ。
またコシもあって、特筆すべきは蕎麦の香りがとても良くすることだ。
但し、味としては渋さをすこし感じるのがどうか・・・。
写真を見たらわかるように黒いつぶつぶが見えるのは夢想庵独自に自家製粉する際に蕎麦の外殻が少量混ざったものだと思う。
蕎麦の実は内側が白く、外側にいくにしたがって黒くなっている。
一番外側が外殻で次に甘皮となるのだが、通常「挽きぐるみ」といわれる蕎麦粉は外殻だけを外し、甘皮から内側を全て使用したもの。実の外側(殻)に近いところは蕎麦の中ではつなぎとなる成分が多く香り高い上に高血圧を防止するルチンが多く含まれている。
十割蕎麦は”つなぎ”の小麦粉を全く使わないわけだから、ちゃんと蕎麦の形にするには”つなぎ”になり易い甘皮入りの”挽きぐるみ”の蕎麦粉を使用するわけだ。
しかし逆に色が黒くなり渋味が増してくるのが欠点。
さらに写真で見られるような黒い点は十割蕎麦でも一般的にはあまり見られない。
つまり渋いと感じる外殻が少し混じっているのではないかというのが僕の推測だ。
その代わりに薫り高くコシのある蕎麦に仕上がっている。
少なくとも福山でほかに例を見たことが無い。
 ※ 後で玄そばと銘打っているのに気づいた。玄そばとは外殻も一緒に挽いた蕎麦粉を言う。

ある意味、引野町の「大市」と対極にある蕎麦だと思う。
これはこれでいずれも魅力的だ。

一方、世良の夢想庵と比べてみると、世良店の「郷土そば」(十割)とも味がすこし異なっている。
僕のイメージでは世良店のほうが渋味は少なくボソボソ感が強かった。
福山店の方が蕎麦はしっかりつながっている。

このあたり、後から店の従業員の人に聞いてみて、訳がわかった。
「世良の店主さんがこちらに来て蕎麦を打たれてるんですか?」ときいたところ、「いえ、ここは手打ではありませんから」とのことだったのだ。
なるほど、おそらく機械で打っているからこそこれだけつながりのよい十割蕎麦になるのだろう。
しかし正直な店員さんだ。

つゆは世良店と同じく辛めでなかなか旨い。

そばがき 蕎麦の実が入っている。美味しい!
白玉ぜんざい 白玉は餅

そばがきは量は少ないもののとても美味しい。つゆがついてくるが、無くても良いくらいだ。
白玉ぜんざいの白玉はそばがきではなく、一般的な餅となっている。そばがきならいいのに・・・


このお店、蕎麦屋というイメージではなく、料理屋といった雰囲気を醸し出している。
値段もそうだし店の作りもメニューも全てにわたって高級志向。
極端に言うと、企業が接待で使用するような蕎麦屋になっている。
福山でこの”盛そば1260円”が受け入れられるかどうか・・・
ある種のチャレンジのようで、とても興味深い。

2005.9.22

再訪してお昼の冷膳セット(1260円)を食べた。
蕎麦の色の黒さは前回ほどではなく、また蕎麦の中の黒いブツブツもほとんど無く苦味はあまり感じなかった。またボソボソ感はほとんどといって無く、のど越しも相当良くなっていた。
(カメラを持参していなかったのが残念)
明らかに以前の蕎麦粉とは異なるイメージで、十割そばでは無いようにも感じられるほどだ。
蕎麦粉によって蕎麦が一変してしまうというのを感じざるを得ない。
新そばの季節が近くなってきた。
去年は台風の影響で不作だった。今年の新そばの出来栄えはどうなんだろう。


営業時間   11:00〜14:00、17:00〜22:00
定休日     火曜日
TEL      084-923-6888


    

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