前鬼 三重(みかさね)滝へ  (2017/9/30)




 写真左から、不動滝・千手滝・馬頭滝





奈良には大型の滝がたくさんある。
中の滝、西の滝、不動七重滝、千尋滝、隠れ滝、・・・・
そして未訪の滝として気になっているのが岩屋谷大滝、迷滝、洞門の滝、三重滝
その中で自分が最も気になっているのが三重滝(みかさねのたき)だった。

三重滝は落差50m級の3連瀑(下から不動滝・千手滝・馬頭滝)で総落差が150mだからというだけではなく、この滝のある前鬼に興味があったからだ。
ここは世界遺産である大峰奥駈道の中にあって、修験道において聖地の中の聖地と言われるところ。
さらに水の美しさは日本でも指折りだし、馬頭滝を望むには修験者一番の行場といわれる「屏風の横駈」・「天の二十八宿」を通らないと見ることは出来ないということに惹かれるのだった。


普通登山者が三重滝へいくルートは、駐車場から林道を2km歩きまず宿坊である小仲坊へ、そこから地蔵のある閼伽坂峠を越え、身を清める場所であるエメラルドグリーンの垢離取場(こりとりば)を越えて千手滝(落差50m)の滝下へ出るルートだ。千手滝の滝下は不動滝(落差60m)の落ち口でもある。
小仲坊からここまで約1時間半のルート。

さらに千手滝の左岸側の中腹へ登ると両界窟と言われる二つの小さな洞窟。役行者と前鬼・後鬼が祀ってあり、脇に長い柄杓があって手を伸ばせば千手滝の水を汲んで飲めるようになっている。

ここまでが一般的な三重滝へのルート
しかしそれでは三重滝の三本の滝の内、中段である千手滝が見られるのみ。
下の不動滝もさらに上に有る馬頭滝(落差45m)も見ることが出来ない。

馬頭滝の滝下に出るには、さらに切り立った崖にある幅30cm程度のバンドを進み(屏風の横駈)、鎖や木の根を頼りに垂直な崖を20m登る(天の二十八宿)という修行を行う必要がある。また不動滝の滝下へ行くには道なき急斜面を降りていく必要があった。

興味のある人は調べれば調べるほど面白いので、三重滝へ行く前に知識を入れておくとよいと思う。




さて自分の場合、予めそういった知識はあったのだけれど、3つの滝全部を見るのに自分ひとりで行ける自信が無い。
行くのなら3つとも見ないともったいない・・・
そんなある時、takimiさんの滝オフで同行したtaakiiさんが「行けますよ」と言ってくれた。
「ぜひお願いします」と即答
taakiiさんと連絡を取り合って、やっと9/30それが実現することになった。





9/30

5:30に洞川温泉(天川村)の民宿を出発。
R309、御手洗渓谷から双門滝の入口となる熊渡を通り過ぎ、行者還トンネルを越え、上北山村のR169に合流。そこから下北山村に入り、不動七重滝展望台でtaakiiさんとは8:00の待ち合わせ。

その途中、行者還トンネル西口の脇にある滝を撮影の予定。
ここは弥山への登山道の入口となる駐車場で、数台の車がすでに停まっていた。
その時、駐車場の管理人さんが見覚えのある顔だということに気づいた。
たしかこの方はテレビで見た弥山小屋の管理人さんだ。
あの奈良の大水害の時も山小屋をずっと守り続けたということで有名な人。

「・・・・あの・・・・失礼ですが、弥山小屋の管理をされている”西・・・・村?”えっと・・・・」
「西岡です」
「どうも失礼しました。今はここにおられるんですか?」
「もう山を下りて5年にもなります」・・・
「そうなんですか。あの、すみませんがそこの滝の写真だけ撮らせてください。そしたらすぐに出発しますので・・・」
(弥山登山口駐車場は有料駐車場で1000円/日)
「でしたら500円で結構ですよ」・・・・
このかたとお話しできるなんて500円は惜しくない。
西岡さんから滝の説明を受け、双門滝の話で盛り上がる。これから前鬼に行くんだという話。またこの辺りには布引滝という良い滝があるんだというお話や天川村のその他の滝のお話を伺った。
布引滝はいつか行こうとチェックしている滝ではあるけれど、歩くのには少し距離があるので、今日は寄ることはできない。
    行者還の滝

つい予定よりも時間を費やしてしまい、慌てて出発する。
存外R309は道が狭くてスピードが出せない。さらに携帯の圏外で連絡もできなかった。

R169に合流するころ、やっと携帯のアンテナがたったので、taakiiさんに遅れるかもしれないというメールを送る。


それから不動七重の展望台に到着したのは結局8:10。 10分の遅刻だった
taakiiさんには平謝り。ここも圏外でこちらのメールも届いてなかったようだ。
待ち合わせ場所は上北山村の道の駅にするべきだったと反省。

  
一方、不動七重滝を眺めてみると水量はほぼ普段通り。
これならば、遡行ルートも問題なさそうだ。

そこから約2km。黒谷登山口駐車場に一緒に移動
  
そこには先客のグループがすでにいて、沢登りの準備をされており、ほどなく出発していった。
こちらも早速準備に取り掛かる。






ルート

  


ルートはまずはPから黒谷に降りた後前鬼川を目指し、そこから遡上して三重滝の最下段である不動滝下へ、そこから斜面を登って登山道に合流、そこからは千手滝--行場--馬頭滝という修行ルートを進み、帰りは小中坊経由で登山道および車道を帰るというもの 。(図の赤ラインが軌跡)
総行程は約7.5km。

装備としては、遡行時は最低膝下までは水に入ってもいい格好で、沢靴(フェルト底等)。
安全確保のためのお助けロープ・ヘルメット等もあれば万全。
登山道(修行道)に合流してからは通常のトレッキングの格好でも良いということになる。
ただし、千手滝と馬頭滝の間に鎖場等があるので、手袋も忘れずに。

今回の自分の装備としては足元はフェルトスパイク。登山道へ巻き上がってからは沢靴ではつらいので、通常の丘用の靴(ガイドテニー)を持参した。
今回お助けロープはtaakiiさんが持って行ってくれたので自分は無し。
カメラ類は今回軽量化を図るために一眼を自重し、水没の危険も考慮して「PowershotG1X2」をジップロックに入れて持参。三脚も軽量なもので対応。




出発は9:00
まず駐車場からガレ場を黒谷に降下する
  

そこから下流側に向かって少し進み
  

出合いの手前を左岸側に渡渉
  

少しショートカットして、前鬼川へ入る
  

前鬼川を遡上していく
  
  

9:30 10m滝の滝下に到着。
滝身は右岸側に渡らないと見れない。
水が驚くほどきれいだった
  

  

この右側の斜面を強引に登る。
その際、今回先にtaakiiさんが登ってロープを下ろしてもらった。
そして滝の上部に出る。
  
10m滝の上部を右岸側に渡渉する。この時に流れが速いので注意が必要。
水が多い時は少し上流の滑に近い場所の急斜面を降りてから渡渉する


このあと滑が続く。とても快適
  

  

左岸を進む
  

10:30 右上方に不動滝が見えてきた。
  
滝に向かって登る。


10:40 不動滝下。
   不動滝。落差60m。

全景を写せる場所は1ヶ所のみ。今回24mm相当だとギリギリだった。
20mm相当のレンズは欲しいところ。



11:10 不動滝下を出発
その際には不動滝下の小滝の脇を降りるとショートカットになる。(元のところには降りない)
   この滝の左岸側にロープあり

前鬼川左岸に出て遡上を続ける
  

  
この水が流れ込んでいる右側の谷に沿って登り、登山道を目指す

すると、この流れは全て山から滔々と湧き出していて、伏流水であることがわかる。
水がきれいな要因はここにある
  
従ってこの谷は枯れ沢になっている。


11:50 登山道に合流。このあたり、少し道が不明瞭
  
靴を丘用に履き替えて再出発

  

  
階段を登って降りると、不動滝の落ち口、千手滝の滝下となる
   不動滝落ち口

12:15千手滝
  

   千手滝。落差50m


12:40 千手滝左岸側(向かって右側斜面)を登る
  両界窟は滝の中段の脇になる
   滝水を汲む柄杓がある
   役行者と前鬼・後鬼
   こちらは賽の河原のよう



そこから馬頭滝に向かう。
修験道の行場だ。

まずは、「屏風の横駈」、なかなかのスリル
落ちたら単なる怪我では済まない。
右向きに振り返ったら、リュックが壁に押されて滑落必至
   幅30cmくらい

次は「天の二十八宿」。 こちらは、ほぼ垂直の岩場
   この鎖の輪に足をかけて登った

   古いプレートがある
ここは、登るのは良いけど降りるのは装備がないと無理。
つまり一旦登り始めたら引き返せない。

鎖のないところもある。滑らないように
  


千手滝の落ち口に到着
  


13:10 馬頭滝
   落差45m

これで全部の三重滝を見たことになる。
総落差は155m。
ここで食事



帰りは馬頭滝の右岸側のコブを越えて急斜面を降りる。
  

すると、案内板のあたりに降りてきた。
  
逆に言うとこの案内板のところの斜面を登れば、行場を通らずに馬頭滝まで行けることになる。
ただしはっきりとした道ではないので、少しの赤テープが目印。


14:20 垢離取場(こりとりば)
本来はここで身を清めてから三重滝に向かうところ
  
岩をジャンプして対岸へ渡ることができる


15:20 閼伽坂峠(あかさかとうげ)
  垢離取場からここまで標高差200mの上りだが、道迷いに注意必要。 (途中大休憩)
  

15:50 小仲坊 
  
  


16:30 ゲート
  



taakiiさんのおかげで無事3本の滝をクリアすることが出来た。
めでたしめでたし


食事や撮影等を含めて合計7.5時間の行程。






しかし今回一番記憶に残ったのは肝心の三重滝よりも、むしろ修験道の行場と前鬼の水の美しさだったというのは、少し皮肉だったかもしれない・・・・
それは決して滝がしょぼいわけではなく、行場と水の美しさが凄すぎたということ


尚このルート、特に登山道については道を間違いやすいところが非常に多い(枝道が多い)ので、いきなり一人で行くのは結構ハードルが高い気がする。
我々も帰途では何度か間違えたし、我々より前に出発した遡行先発隊も、垢離取場〜千手滝間で道迷いされていた(そちらのグループも初めてだったとのこと)。
GPSは必須。
初挑戦する人はまずは経験者と同行されるのが良いと思う。






    
 

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