風折滝・高滝へ  (2016.4.10)


2016年4月。
三重県の滝はこれまで大杉谷の滝・布引滝という百選関連の滝と蒼滝・白滝などを訪れてきた。
しかし三重県には未訪の滝がまだ多く残っている。
ここの大型の滝は歩行距離が長いということとヤマビルが出るということの二つがネックになっているのだが、特に小森木滝・八町滝・清五郎滝・屏風滝・風折滝・高滝はいずれは行かなければいけないと考えていた。

その中でも風折滝・高滝の二本は比較的三重県の北部に位置していて関西方面から行き易い場所にある。
また4月であればまだ蛭も出てこないだろうということで、チャンスと考え風折滝・高滝へ行くことにした。



事前調査で風折滝へは最初高滝との分岐の水越谷出合までが登山道で約1時間、そこから道は無く完全な遡行が1時間程度必要、また高滝へはその分岐から本沢をそのまま登山道で20分程度だということがわかっていたので、アタックは日曜日の朝からの一日を見込んだ。
そうなると土曜日のうちに近くまで移動して宿泊しないといけない。

当初は近くで車中泊の予定だった。
しかし、今回は車が小さいということもあって急遽楽天トラベルで安い宿を探してみたところ、なんとか奈良県の下市なら泊まれそう。素泊まり一泊で3600円。これならよしとするか・・・


  風折滝へ進む




吉野の桜

出発は4月9日(土)の朝
自宅から吉野まで約5時間

実は吉野の行者還りの桜を一度見てみたかった。
まだ道路が通行止めという噂ではあったが、まずは立寄ってみることにした。

天川から国道309号線を東に進み、御手洗渓谷の入口前を過ぎ、昔行った双門大滝の入口である熊渡りで一服。
  

そこには3台の車が停車しており、双門大滝への入口には相変わらずチェーンがかかっている。
下を流れる水はとても綺麗。これらの車はたぶん釣りの人たちだろう。
 
さらに進むと川迫ダム
  

ダムの水がこんなに澄んでいるところは、これまでほとんど見たことが無い。
そこから少しすると予想していたことが起こる。通行止めだ。
  

国道で、さらにもう4月だというのに通行止め。
看板には4月18日開通と書いてあった。なんと残念なことか・・・

そこから吉野に向かって引き返す。
どうせなら吉野の千本桜を見てやろう。ここまでの道沿いの桜も綺麗に咲いていたし・・・
 

吉野の上市へ着いたのは16:30頃
ところが車が渋滞。いたるところに警備員が立っていて、車を誘導される。
この日はどうやら上市にある大型駐車場からバスで人を千本桜までピストン輸送しているようだ。
ただこの時間になってそのバスも終了したらしく、車でそのまま千本桜方面に入らせてくれた。

上千本入口にある小さな駐車場に着いたのが17:00
ただこの時間でも凄い人の数だ。




吉野千本桜

 

吉野の千本桜は下から 下千本・中千本・上千本・奥千本 と大きく4箇所の千本桜がある。
これを全部見るのは一日がかり。一番の有名スポットは上千本から見下ろすパターン。
ただし、車が止められたのは「上千本入口=中千本の一番上側」という感じで、上千本までは歩くと約1.2kmの登り。
というわけで中千本方面に向かうことにした。

 

 

 

上千本
 

このあと、上千本・奥千本方面に車で向かったのだけど、奥千本から上千本に下る道は道が狭い上に人がメチャ多くて人の歩くスピードとほとんど変らない程度でしか進めない。
車を停めるどころではなかったので、運転しながら窓からコンデジで撮るのみ

奥千本
 

上千本、撮影スポット
 
 カメラマンの数も半端ない

おそらく全体で数万人いたのだと思う。
特に目立ったのが中国人で全体の3割くらいいたのではないかと思うほど
ウエディングドレス姿の中国人も数名おり、こういった観光地で結婚パーティーをするのが現在の中国での流行なのではないかと思う。(イタリアのフィレンツェでも同様な中国人を見たことがある)
桜を折って帰ったりしなければいいのだが・・・

結局吉野は1時間弱で切り上げて下市の宿へ向かった
 









4月10日(日)

下市の宿を6:30に出発
コンビニでパンを買って運転しながら三重方面に向かう。
目的地の宮ノ谷の入口まで約70km。
東吉野村から国道166号線高見トンネルを抜けて三重県に入る。
飯高町森を奥香肌峡方面に右折し、蓮ダムを通り過ぎる
  蓮(はちす)ダム

そのままダム湖の左岸を進み辻堂橋を渡って蓮川沿いにさらに進むと、蓮八滝の「八の滝(清瀬の滝)」と「七の滝(蓮の滝)」が左岸側(道路の右側)からダム湖に向かって落ちてきているが、たくさんの支流が落ちているので注意していないと気がつかない。
  
 清瀬の滝 と 蓮の滝


蓮川から橋を渡り宮ノ谷川に入ると道はダートになり、そこから少しすると駐車スペースで行き止まりになる。
 場所はこちら(地図

 

案内板は
 

さらに、こんなことが
  


装備について

風折滝への足元は滝仲間に相談しながらいろいろ考えた。

長靴は浸水する確率が高いのでNG。
靴の底(ソール)については岩登りがあるのでスパイクはNG。
濡れた岩場は普通のゴム底では滑る危険があるのでNG。
ソールはステルスソールかフェルトの二択だ。
足が濡れたまま歩くのがイヤで途中で履き替えるのなら、フェルト底の沢足袋を持参という手もあるとは思うけど、いったい何度履き替える必要があるのかわからないし、荷物が重くなる。

となると、自分の持っている中では、ステルスソールのキャンプフォーかフェルトスパイクのマズメの沢靴。
この二つ、距離が長くて衝撃吸収力が高いのがいいならキャンプフォーでヌル苔が怖いならフェルトスパイクのマズメ。どちらがいいか・・・
マズメの沢靴はこれまで長距離を歩いたことが無いというのがネックだったのだが、結局無難なその沢靴を選ぶことにした。ただし沢靴は1サイズ大きいのでネオプレンソックス(2.5mm)を履くのが前提。
蒸れるのはしかたない諦める。
結局この選択は正解だった。

ザイルについても持っていくかどうか考えた。
事前情報に寄ればパーティーの場合持っていくことがあるようだ。岩登りでザイルを使用する箇所があるらしいが、登るのが難しい箇所は既にザイルが設置されていて使用しなかったという。
トップが後続を確保するという意味ならわかるけど、単独行ではいずれにせよまず自力で登る必要があるので、必要なしと考えた。無理だと思ったら引き返そう。
ただこの判断は半分が正解で半分は間違っていたことが後からわかる。
せめて60cm程度のスリングロープを1〜2本持って行っておくべきだった
そもそも風折滝へ単独で行くこと自体がお勧めできないのだから、万全を期したほうが良いに決まっていた。

また、ストックは体力に自信が無いので出来れば二本持っていきたい。しかし沢登りでは邪魔になる公算も高い。まぁストックは軽いので、最悪邪魔になったら一旦デポして進めば良しということで二本持っていくことにした。
ただこれは結果的には1本で充分だった。トラバース道が多いので片方は使えない場面が多すぎた。

ザックは最初からTNFのテルスフォト40と決めている。
カメラはいつものEOS70D+ダブルズーム+EFS10-22、三脚は新調したばかりのSLIKカーボンスプリント634FAをサイドに取付け。

ヘルメットも用心のために被ることにした。ザックの中にはヘッドライトやレスキューシートも念のために入れてある。
ロープを使うことがあるので専用のグローブもしくは滑り止め付きの軍手は絶対に必要

昼の食料および非常食とともに持参した水は1L。
この時期だからこのくらいで問題ないだろうが、夏場は2倍は必要かもしれない。






8:30 準備を終え出発する

最初は快適なハイキング道だ
 

左岸に沿ってつけられた池小屋山への登山道は整備されていて、難しい箇所には鉄製の橋・階段がつけられている。さらにそれには登山口から1号橋と順に番号がつけられていて、とてもわかりやすい。


5分ほど歩いたところで左下に見える宮ノ谷川の本流に滝があることがわかる。ただし登山道から距離があり木の陰に隠れているのでわかり難い。
これが「隠れ滝」。滝下に行くには急斜面をザイルで降りないといけない感じだ。
落差は10mとのことだが、水量があって良い滝のように思った。
 
 隠れ滝


さらに進んでいくと、左岸側から本流に向かって無名滝が落ちている
 

風折滝までの途中にはこの滝に限らず左岸側からいくつもの滝が落ちてきているが、いずれも名前がついていない。つまり左岸側に名前のある滝はないと考えておけば良さそうだ。


10分ほど歩いたところで「鷲岩展望所」と書いた矢印がありその先の登山道が通行止めになっている。
最初の案内板にあったように、どうやらここを遡行しないといけないようだ。
  
ここではいきなり膝までの深さの水の中を歩かされることになった。

ただ、遡行区間は僅かで、すぐに登山道と合流することになる。
  合流地点。6号橋付近の登山道が決壊と書いてある

そこの正面、右岸側から落ちているのが「横滝」。落差は10m。
 
 横滝

  その先、谷は左に大きくカーブしている。


9:00 蛇滝
歩き始めて約30分で「蛇滝」の看板。本流にかかる滝で水量がある斜瀑だ
  蛇滝


蛇滝をすぎると道は徐々に厳しくなってくる。
下の写真は崩落したガレ場のトラバース箇所。足場を確かめて進む。落ちたら一巻の終わりかも・・・
ソールがフェルトスパイクなのが少し不安
こんなところが3箇所くらいあった
  

9:13 6号階段
9:15 23号橋
  

9:17 六角屏風岩前 
9:20 切石河原
  

9:25 8号・9号・10号 連続階段
9:27 水平歩道
  

この水平な道の周囲にはツツジが咲き、山には桜が見えてとても快適。
  


9:30 避難小屋・32号橋
  
ここが水越谷出合いになる

32号橋を渡ったところで左が風折滝のある水越谷、右が高滝のある本流の宮ノ谷だ
  


ここで小休憩、ここまでちょうど1時間。

高滝と風折滝どちらを先に行くべきかを考えていて、まだ結論を決めていなかった。
高滝へは登山道なのでさほどの問題はないだろうが、風折滝へは遡行。
そして前評判ではこの看板の40分は絶対ムリとのこと
もしも遡行でなにかトラブルがあって時間がかかったらいけないということで、安全を考えて先に風折滝へ向かうことにした。



9:36 風折滝へ向けて出発。ストックは分岐近くに一旦デポする。
いきなりの倒木。この木の下をくぐって谷に入る
  9:36
  9:46
  9:52
  10:05


10:11 左岸にロープがある
     それに沿って進むと行き止まり。良く見るとその先の岩の下にロープが垂れている
  
!!!
ということはここを下に降りろということか・・・・しかし垂直で高さ約1.7m
手前から水の中に入って進むのが良いか、でもかなり深そうだ
結局ロープにつかまりながら、垂直に飛び降りることにした。こんなときザックは負担だ。


先の岩のところまで進むと今度は岩の内側の方にもコブ付きのロープが垂れていた。
その上に岩の隙間がある
  
この場所は事前の調査で内側の穴くぐりをすべしとのことだったので、迷わず内側のロープを使って登る。
ただここも足場をとり難いので腕の力が結構必要だった。
さらにザックを担いだままでは穴を通り抜けられない。
一旦ザックを下ろして人間とザック別々に通る必要があった。
この時もしもスリングを持っていれば、設置されたロープに足場を作って登れるだけでなく、ザックを引き上げたりするのにも使用できたのだ。スリングを持ってこなかったことを後悔した。

岩くぐりをクリアして上に出るのに約10分かかった
 


10:30 不動滝
  不動滝


10:40 ゴルジュ越しに風折滝の一部が微かに見えた。胸が躍る
 


ところがこのゴルジュ、小滝になっていて脇にコブ付きのロープが一本かかっている
  
ロープの真下は川、ここもまた一歩目に足をかけるところが無い。
半分落ちる水の中に足をかけながら、強引に腕の力を使って登る。
  容赦なく水が降りかかってくる。

  登るとこんな感じ

10:49 そこで前を向くと「二条の滝」がある
 
 左にあるのが二条の滝


10:53 さらに進むと、今度は右岸側から落ちているのが「ヒトマゲ滝」
  ヒトマゲ滝


10:56 またコブ付きロープが岩のところに垂れている
  
高さ2.5m程だが、ここは足が何とかかかったので苦労しなかった


このロープをクリアすると、風折滝は目の前。
  



11:02 風折滝着
なんと、ほぼ1時間半もかかってしまった
ゆっくり気をつけて来たとはいえ、案内板の40分というのはいくらなんでも厳しすぎ・・・

落差は80m。
しかしこの素晴らしさはなんだ!!ちょっと感動してしばらく見とれてしまった。
圧倒的な岩壁。宙を舞う水。
滝の前に立ってこれほど感動したのは久しい気がする。
5年ほど前に宮崎県の祇園滝の前に立ったとき以来の感動かと考えた。

 

 

岩を登って滝に近付いてみる
 

 

 

なんと圧倒的なことか・・・・



昼飯を食べて、約1時間の休憩
もっとゆっくりしたかったけど、まだこれから高滝に行かなければいけない

11:55 風折滝出発

12:05 ゴルジュ、小滝ロープ通過。 びしょびしょになった
  

12:30 穴潜り通過
  

穴を潜って降りたところでハタと悩んだ
来たときに飛び降りた場所、今度はロープのある岩の上まで1.7mの高さが登れない・・・
手が届くのは頭より上に垂れたロープ。足がかりもない・・・
うーん・・・

今度こそ腰までジャブジャブかとも思ったけど、ザックをおろせば何とか自力で上がれるかもと考えた。
そこでまずはザックを下ろし、上の岩棚に投げてみたらなんとかそこで止まったので、ロープをつかんで這い上がる。
懸垂をしているようだったが、なんとか這い上がることが出来た。
ここでもスリングが何本かあればいろんなワザが使えたのに・・・・と思ったけど、それもあとの祭り。

 



13:05 水越谷出合 帰りはここまで1時間10分

 
小休憩。デポしたストックを回収して今度は高滝へ向かう (13:10)

こちらの本谷はある程度整備された登山道が続いているが、ずっと一本調子の登りだった



13:28 高滝が正面に見えた
 

   15号階段。最後の階段となる


13:45 高滝

高滝は落差50m。美しい滝だ
だけど、風折滝を見た後だったせいか感動はやや少な目
行く順番がこちらが先だったら、もっと感動していたに違いないが・・・・・

 

 

 
13:55 高滝出発
14:20 水越谷出合
14:39 蛇滝
15:15 駐車場着
 

沢靴の中はびしょびしょで足はふやけていたけれど、何とか無事に痛みを感じることなく帰ることが出来た。
この沢靴を履いていても、防水靴下とかならもっと歩けそうな感触をもった



歩行ログ
  





宮ノ谷から蓮ダム方面に戻る
実は落差130mの「布引滝」が蓮ダム付近から遠望可能という情報が森本さんのサイトに書いてあったのを知っていた。
ダムのそばまで来て、地図上の場所はわかっているので眺めてみるが、どうも手前の山が邪魔をしていて見えない。
力を絞ってダムの展望台まで上がってみても見えない。
半分諦めながら奥香肌峡温泉方面に戻っていってたところ、車から僅かに滝の影が見えた。
このあたりだ (地図
南南西の方角に布引滝の上半分を見ることが出来た。

 
 布引滝






そのあとは、奥香肌峡温泉のスメールで立寄り湯
美人の湯で、香肌の湯伝説というのが残っている

 

温泉に入るとふやけた足も元に戻るのだから不思議な感じがした


    
 

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