北房ホタルの里にて コンパクトデジカメでどこまで一眼に迫れるか?


先日宇内ホタル公園にホタルを見にいったが、今回は北房ホタルの里に行って来た。

北房町は環境省の「ふるさといきものの里百選」にも選ばれたホタルの里で、北房の中心部を流れる備中川とその支流には、ゲンジボタル、ヘイケボタル、ヒメボタルの3種類が生息し、備中川を挟んで諏訪洞の対岸にある北房町ほたる公園では源氏蛍の乱舞を鑑賞できる場所として有名なところ。

金曜日会社を定時に終わり、6時過ぎに福山東インターを出発。
明るいうちに現地に着いて背景を確認する予定だ。
いったいどれだけのホタルがいるのか、期待をしながら山陽道から岡山道へ車を走らせた。

ほたる公園に着いたのは7時半。まだ明るいので車は少ない。
駐車場に入るとき係りのおじさんに「写真を撮りたいんですがどこがいいでしょうか」と聞いてみた。
すると「ほたる公園は他の灯りが入るから「ふるさと会館」の50m下流か上流の「岩木」が今ホタルが多くていいですよ」というアドバイスを頂く。
お礼を言って早速「ふるさと会館」に移動。ホタルのポイントはすぐに見つかった。まだ明るいので誰も人はいない。川の中でゲンジボタルが飛びそうなところにあたりをつける。まずは草が茂っていて水が細い流れで流れているところ。これが前回の宇内ホタル公園での経験だ。

今回の写真撮影の作戦は予め背景になる写真を撮っておいて後からパソコンで合成することだ。
いろいろHPでホタルの写真の撮り方を調べてみたが、普通のデジカメでホタルが川の上を飛ぶ写真をそのまま撮るというのには無理があるようだ。したがって、合成を前提にホタル出現ポイントで明るいうちに背景を予め撮影しておく必要がある。そのために早い時間から出発したのだった。

そこで角度を変えて何枚か撮影。上流の岩木地区も同様に位置を変えながら撮影する。
あとは暗くなるのを待つのみ・・・・

一番ボタルが光ったのは8時前。それから徐々に増えていく。
そして空が雲越しのほのかな月明かりだけになった。
!!!
なんとすごい数のホタルだ。100匹〜200匹どころの騒ぎではない。1000匹くらいいるんじゃないだろうか。。
川一面のホタルの乱舞。それも川沿いに何キロにもわたってなのだ。
良く見てみるとホタルの光るタイミングが近いホタル同士同調していて、まるでクリスマスツリーのイルミネーションの様でもある。ホタルの群れの呼吸が一致しているのだ。

ホタルはわずか10日余りの間だけ光りその間に交尾しそして死んでいくらしいが、飛んでいるのはオスの方でメスは草むらで比較的じっとしてるのだそうだ。
オスが交尾の相手を探すために光りながら飛ぶ。そしてメスとの同意ができると光るタイミングが同調するということらしい。
つまりこの光景はオスとメスの結婚の前の儀式ということ。
それにしても目の前で同時に数百組のホタルのペアが同時に壮大な儀式をしていると思うと、まさに自然の凄さを感じざるを得ない。

幻想的な光景に唖然としながらも、僕は夢中でシャッターを切り続けた。


 ふるさと会館前。
 (25枚、約6分)
手の平に3匹のホタル。飛んでいった軌跡が残った。
(ノイズ処理なし)
 岩木橋より
 (2枚、30秒)
 岩木橋より
 (5枚、1分15秒)
 岩木橋
 (6枚、1分30秒)
 



一眼レフにどこまで迫れるのか?

僕もさほどカメラの経験があるわけではないが、ホタルを撮るためにいろいろ調べてみた。
前回も少し書いたけど、銀塩一眼レフカメラおよびデジタル一眼レフカメラに比べてコンパクトデジカメは決定的にホタル撮影に不利な部分がある。(今回のはPowerShot S1IS)

 1.露出時間(シャッタースピード)が短い。 
    一眼にはバルブ機能があって露出時間を30分とか長くすることが出来る。
    S1ISでは最大でも15秒だから、背景を写すには故意に懐中電灯やヘッドライトの光を
    入れないと無理。現実的に背景入りの写真を写すのは不可能。
    また時間が短いのでホタルが飛ぶ数を多く出来ない。
 2.レンズが暗い
    一眼レフではF1.4とかF1.2とかいう明るいレンズに取り替えることが出来るが、コンパクトデジカメ
    はレンズの明るさが2.8程度と決まっており、光の量をそれ以上多くすることが出来ない
    同じフィルム感度ではホタルの光が弱くなる。
 3.感度が上げられない
    銀塩カメラではISO800のフィルムまで簡単に手に入るし、デジタル一眼ではISO1600まで
    感度を上げることが出来る。コンパクトデジカメでは最大でもISO400。
    その分ホタルの光が弱くなる。
 4.ノイズが多い
    露出時間を長くしたりISOを上げたりするとコンパクトデジカメではノイズが多くなる。
    それによって写真に小さな点がたくさん発生する。
    S1ISではシャッタースピード1.3秒以上で自動的にノイズリダクション機能が働くが
    それでもノイズがたくさん乗ってくる


 北房町観光協会HPより

おそらくこの写真は30分以上露出していると考えられる。ここまではさすがに無理。
目標としたのは http://ips-info.net/hotaru/ このサイト



コンパクトデジカメでのお薦め撮影方法(今回の撮影方法)

撮影時

1. どこで写真を撮るか・どのへんにたくさん蛍が出てくるかしっかり情報を集めること。
   ゲンジボタルは細く水が流れていて草木が近いところに多い。

2. 予めまだ明るいうちに背景用の写真をアングルを変えてたくさん撮っておく。
   背景はズームはせずに広角(W側)で撮っておくこと。

3. カメラはマニュアル仕様で撮影できるカメラであること。ノイズリダクション機能があるものがベスト。

4. 三脚を必ず使用すること。リモコンはあるに越したこと無いが、セルフタイマーでも可。

5. シャッタースピード最長・絞り開放・ISO最大・フォーカス無限大にセットする
   僕のS1ISの場合は15秒・F3.1・ISO400
   フラッシュを使用すると周りのカメラマンに大顰蹙になるので注意。ホタルも光らなくなる。

6. 5m〜20m位離れたところを中心に狙うこと、デジタルズームは使用しないこと。

7. 遠くの蛍を広範囲に狙わないこと、遠くの光りはあとでノイズ除去で苦労する
   光学ズームがあれば少しだけ使って撮影範囲を絞った方がいいと思う。
   背景と合成する際もホタルの写っている範囲が少し狭い方がよい。

8. あとで背景と合成しやすいように、川面とか灯りとかが少し入るアングルを選ぶ方が楽。
   ただし場合による。

9. 中途半端に明るいうちからホタルの撮影を開始しないこと。
   下手に中途半端に背景が入ると、後から合成しにくい。

10.撮り始めたら同じアングルで多めに何枚も撮影すること。

11.その際カメラが動かないようしっかりと三脚を固定しておくこと。動くと合成が面倒になる。

12.撮った写真は必ず再生してピントが合っているかどうか確認してみること。


画像処理時

1. 合成に使用するソフトはPhotoShopもしくはGIMP(フリーソフト)がお薦め。僕はGIMPを使用。
   IBMのビルダーに付属のウェブアートデザイナーでも出来るが合成後暗くなる。

2. 使用する画像は一枚一枚コントラスト調整などでノイズをほぼ完全に除去する。
   「ニートイメージ」というソフトを使用すれば簡単にある程度のノイズは除去可能
   この作業で蛍の光が弱くなるようなら、不要部分は黒で塗りつぶしていく。 
撮ったままの写真 コントラスト調整後

3. 最初に蛍の光だけの写真を必要枚数合成する。
   合成はレイアを重ねていく作業となるが、重ねるモードは「比較(明)」を使用。
   そうしないと蛍が徐々に暗くなっていく。
   ただし重ねるたびにノイズが増えてくるので注意。
   (右下の写真はノイズが取りきれていないのがわかる)  
他の写真(その他23枚) → 24枚合成後

4. 最後に背景を合成
   背景は予め画像サイズを調整し蛍の写真との位置・倍率を合わせる
   この際も合成のモードは「比較(明)」を使用する。
   背景側画像の透明度で明るさの調整をする。 
背景(倍率調整済み) → 背景合成後


こうやって出来たのが一番上側の写真。
さて皆さんの評価はどうだろう。出来栄えを評価してもらえるだろうか
背景の明るさについてはどうにでもなるのだが、今回は銀塩一眼で撮られたものを参考にして明るさを決定した。
どうせ合成だからと批判される人もおられるかもしれないけど、銀塩でも長時間露光するというのは人間の見た目と同じとは言えないから合成と似たようなもんだ。気にしないことにする。
一番問題なのはやはりノイズで、最初にこれをちゃんととらないと重ねれば重ねるほど汚くなってくる。
結局は手間さえかければある程度のものなら出来るってことになるのかもしれない。

ただ、いくら写真をきれいに撮っても本物の美しさにはかなわない。
本当に感動した一日だった。



    
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