はじめての一眼レフ1 デジタル一眼レフ 「EOS Kiss デジタルN」 の実力は?
|
|
|
EOS Kiss デジタルN
485g |
シグマ 18-200mm F3.5-6.3 DC
405g |
HAKUBA HG-504MX
1,770g |
ついに念願の一眼レフデジカメ ”EOS Kiss デジタルN” を手に入れた
実はこれまで同じcanonの”POWER Shot S1IS”を使い続けてきて、ホタルの撮影以外では特に不満を感じることも無かったのだが、滝の撮影を通じてマニュアルで撮影を行う機会が多くなり、露出・絞り・シャッタースピード・ISOなどを意識し始め、三脚や各種フィルターを使いはじめてから、カメラの王道である一眼レフをいずれは持って撮影をしてみたいという気持ちを持っていた。
そんなときの仏通寺での紅葉の撮影。
なんと黒い一眼レフカメラに黒い三脚の多いことか。
100人近い一眼レフユーザーの中、コンパクトカメラに三脚で撮影している人などどこにもいない(^^;;
気恥ずかしさを感じる中、一眼レフが欲しいという欲求は増していっていた。
初めての一眼レフとして「EOS Kiss デジタルN」を選ぶのにはさほど時間はかからなかった。
まずは値段が手ごろなものであること、そして山歩きしやすいように小型軽量であること、もともとcanonユーザーであること、CCDの性能に定評があることなどがその理由。
パソコンに取り込む場合も慣れたソフトの方が使い勝手が良い。
一眼レフの購入に際して一番気になったのは、滝などに行く際に現地でレンズ交換をしていると、水飛沫などでカメラを壊してしまわないかということだ。レンズ交換はCCDへのゴミの付着の原因にもなる。
現在のS1ISは10倍ズームがついており、結構重宝するので、同じ仕様にするためにCANON純正のレンズ(18-55・55-200)のWズームキットを買わずに、標準のレンズキット(18-55)を購入した上にシグマの18-200mm(f3.5〜6.3)ズームレンズ(405g)を別に購入することにした。
これなら少しカメラが重たくなるものの(18-55mmは190g)以前のS1ISとほぼ同じ倍率を一本のズームレンズでカバーでき、現地でレンズ交換をせずに済ますことができる。滝の撮影にレンズ2本を持って歩く必要も無いだろう。
ほんとうは素人の浅知恵というやつなのかもしれないが、我ながらいいアイデアだと考えた(^^;;
また念願だったカーボンの三脚も購入した。
三脚は安物ばかりだがポケットに入る小さいものも入れてこれでもう6本目。
いつも持ち運びをどうするか悩んでしまうアイテムだ。
小型のものは持ち運びはいいのだけれど、いざ滝を撮ろうとしたときに低すぎて前の草がじゃまになったりすることが度々ある。またカメラを縦に構えることが多いので、脚が開かないものやひ弱なものはバランスが悪くて安定しない。
その点カーボンの三脚は大きさの割には軽量でありながらアルミ製と比べると安定感がさすがに違う。
ただそれでも1.8kgもあるので持ち歩くには結構重い。「今回は一眼のためだ、やむを得ないだろう」と自分で言って散財を自ら納得させる。なんといっても黒い三脚は格好がいい(^^;;
その他、レンズ保護のMCフィルター・CPL偏光フィルター・ND4減光フィルター・レリーズ・予備バッテリー・水準器・ブロア・レンズメンテナンスキット・バッグなども同時に購入して、結局20万円近くかかってしまった。
当分小遣いは使えそうに無い(-_-;)
さて、さっそくS1ISと撮り比べをしてみることにする。
被写体は室内にあった観葉植物。フラッシュなしで三脚を使用しての撮影。
レンズはSIGMA 18-200mm F3.5-6.3 DCを早速装着
時間はお昼の2時前後の窓から差し込む光がメインで蛍光灯もついている状態。
まずは何も考えずにプログラムモードで撮影。いずれも少しだけズームしている。
太
陽
光
+
蛍
光
灯 |
|
|
S1IS、ISO50、WB:auto、0.4sec、F3.1、18mm |
KissDN、ISO100、WB:auto、1sec、F5.6、88mm |
まずはなんでこんなに違うのかとビックリ。
色がまず全然違う。後ろの壁はややベージュがかった白なのだが、左上のS1ISでは青っぽくなっている。
葉の色も青みが増しているのがわかる。
シャッタースピードは2.5倍もKissDNの方が遅くなった。(ズーム使用時)
コンパクトデジカメは総じてレンズが明るいのでシャッタースピードは早くなる。
さらにS1ISは手振れ防止機構がついているので、手持ちの撮影では相当S1ISの方が有利。
S1ISでISO50であればKissDNではISO800程度にしないと同等の手振れでは収まらないだろう。
絞りはいずれも最大に開いている状態で、S1ISが3.1・Kissが5.6とS1ISの方が低い数字となっているのだが、後ろの葉のボケ方は明らかにKissDNの方がぼけている
ホワイトバランス
太
陽
光
+
蛍
光
灯 |
|
|
S1IS、WB:曇り |
|
|
|
S1IS、WB:太陽 |
|
|
|
S1IS、WB:auto |
KissDN、WB:auto |
|
蛍
光
灯
の
み |
|
|
S1IS、WB:auto |
KissDN、WB:auto |
|
|
S1IS、WB:蛍光灯 |
KissDN、WB:蛍光灯 |
S1IS
昼間の状態で曇りモードでは葉の色が不自然すぎだ。太陽モードでは少し不自然さが緩和される。
autoでは明らかに青色が強い。
蛍光灯下の写真はautoで色合いが現物に近くなり、蛍光灯モードでは葉がやや青く見える。
KissDN
昼間の状態はautoのままで現物の色にほぼ近い。
蛍光灯下では少し赤みが強い感じだが、autoも蛍光灯モードも色合いは変わらない。
明らかにKissDNのホワイトバランスのautoのモードは完璧ではないものの比較的色合いが安定しているように感じる。
現像パラメーター
太
陽
光
+
蛍
光
灯 |
|
|
KissDN、ISO100、WB:auto、1秒、F5.6、88mm
現像パラメーター1 (デフォルト)
コントラスト |
: |
やや強い |
シャープネス |
: |
やや強い |
色の濃さ |
: |
やや強い |
色合い |
: |
0 |
|
KissDN、ISO100、WB:auto、1秒、F5.6、88mm
現像パラメーター2
コントラスト |
: |
標準 |
シャープネス |
: |
標準 |
色の濃さ |
: |
標準 |
色合い |
: |
0 |
|
EOS KissDNは現像パラメーターというものを持っているので次にこれを変更してみる。
4種のパラメーターは各5段階にマニュアルでそれぞれ調整できるが、デフォルトのパラメーター1では表のようにやや色を強調するように設定してあり、パラメーター2が標準(EOS10Dと同じ)だ。
色としてはパラメーター2の標準の方が現物の色合いに近い。
他に色合い調整としては色温度を変えてののブラケッティング撮影が可能だが、当面「現像パラメーター2・ホワイトバランスauto」にしておけば、さしあたり調整する必要はなさそうだ。
ボケ具合
S1IS
F3.1 |
|
KissDN
F5.6 |
|
KissDN
F11 |
|
KissDN
F22 |
|
写真は前の葉にピントを合わせた状態で、後ろの葉や茎の部分のボケ具合を比較している。
基準をS1ISのF3.1のボケ具合だとすると、KissDNではF11にほぼ匹敵する。
基本的にF値が小さければボケが大きくなるわけだが、SI1Sではズームを使用してmin.F3.1、一番引いた状態でF2.8までしか小さくならない。
ボケの写真についてはKissDNの方が相当有利だ。
ノイズ
|
S1IS(F3.1、〜0.3秒) |
KissDN(F22、〜10秒) |
ISO50 |
|
|
ISO100 |
|
|
ISO200 |
|
|
ISO400 |
|
|
ISO800 |
|
|
ISO1600 |
|
|
この写真はS1ISについては300万画素で100%サイズ、KissDNについては800万画素で撮って同等サイズに縮小した状態である。
S1ISではISO100からノイズが気になってくる。ISO400では盛大にノイズが乗っていることがわかる。
これに対しKissDNはISO400から僅かにノイズが見えるものの、ISO800でもS1ISのISO100と同程度、ISO1600でもS1ISでのISO200よりは良さそうだ。
実用的にはSI1SはISO50限定、KissDNはISO400まで問題なく使用できそうだと思える。
なおKissDNの場合、ISO100からISO800まではシャッタースピード30秒以上、ISO1600ではシャッタースピード1秒以上でノイズリダクションが働くように出来るので、ホタルの撮影などでは圧倒的に有利。
さすがに一眼レフだと感じさせる。
ミラーアップ撮影
サイズ |
通常撮影 |
ミラーアップ撮影 |
100% |
|
|
400% |
|
|
三脚(HG-504MX)にカメラを固定してレリーズで撮影を行っているわけだが、KissDNにミラーショック(シャッターが切れる前にミラーが動くことによるブレ)が起こっているかどうかを確かめてみた。
KissDNはミラーアップ撮影という機能がある。
これを設定すると一度目のシャッターボタンでミラーが上がり、2度目にシャッターボタンを押すことで実際にシャッターが切れることになる。
撮影条件は最初の ISO100、WB:auto、1sec、F5.6、88mm で実施。
これを見る限りではミラーショックは発生してないようだ。
三脚の能力があるということになるのかな?
滝の撮影(クリックすると大きくなります)
|
S1IS |
KissDN |
常
清
滝 |
|
|
ISO50、0.5秒、F7.1、-2/3、WB:くもり、CPL使用 |
ISO100、0.4秒、F8、-1/3、WB:auto、パラメーター2 |
岩
瀧
寺
の
滝 |
|
|
ISO50、1秒、F7.1、-2/3、WB:くもり、CPL使用 |
ISO100、1秒、F16、-1/3、WB:auto、パラメーター2 |
実際に滝を撮影して出来上がりを比べてみた。
(露出については見た目で両者近いものをピックアップ)
比べてみれば確かに描写力はKissDNの方が勝る。
滝を撮影してHPにアップする場合、この差をどうみるかだ。
大きく違うとみるか、たいして違わないと見るか・・・
|