喫茶、現地調査 (2004.3)

カフェ・ダウム (閉店)            場所:広島県福山市春日町6-6-13
  

僕は昔からコーヒーが好き。
特にマンデリンがお気に入りなんだけど、福山で美味しいコーヒーをいい雰囲気で飲ませてもらえる場所というと、限られたところしかない。
そんなかでもこの店は「こだわりのコーヒー」に「こだわりのカップ」に「こだわりの音」のあるコーヒー専門店だ。
場所は春日のマックスバリューの裏手あたり、最近openした味の蔵春日店も程近い。
カフェ・ダウム
このお店はおしゃべり好きな紳士のマスターが一人でやってる(ほとんど趣味の)店。
店の外には横浜ナンバーの117クーペがとまっているが、いまどき117クーペを持ってること自体がおしゃれだ。
この車マスターに聞くと知り合いから譲り受けたものだけど、名義変更すると横浜ナンバーじゃなくなるのであえて名義変更していないとのこと。(現在は廃車にされたそうです)
そしてこの店のまず一番の特徴であるのがカップ。
どれひとつとっても同じものは無い。
これもやはりマスターのコレクションだが、マスターがお客さんを見てその人に似合っているものを選んでいるという噂。
ただしその噂について聞くとマスターは苦笑い。(^^;)
なんせ1脚平均2万円から3万円するというカップが全部で196脚あり、いずれも自分の目で選んだもの。
貧乏人の僕なんかはついつい掛け算をしてしまう。
お客さんの中には「あのカップに入れてほしい」という方もいるそうだが、マスター内心「お客さんには似合いませんよ」と思うことがたびたびあるとか無いとか・・・・・・とはいえ、マスターお気に入りのカップであることには違いない。
まずこの店でまず一番の楽しみはコーヒーがどんなカップに入って出されてくるかということかな。
それであなたがどんな印象なのかがわかるかも?

ところでここでバイトをする場合はどのカップがどこの位置にあるのか、196脚全てをちゃんと記憶しておかないといけない。
片付ける際所定の位置に置かないと、マスターが思ったカップをすぐ取り出せなくなるからだが、現在バイトされている女性(なかなかの美人でいらっしゃる)はもう8年も働かれているので、さすがにもう間違えることはないそうだ。
コーヒーは500円(ブレンド)からだがストレートコーヒーも500円から。
僕の好きなマンデリンも500円。迷う必要も無い。
一杯一杯ペーパーフィルターで丁寧に入れてくれるわけだが、僕が「やっぱりコーヒーはペーパーフィルターですよね」というと、マスター「いや、やっぱりネルですよ」と回答。
なんとこの店ではネルで一杯だてコーヒーをたてられるような道具もおもちで、スペシャルブレンドを頼むとそれを使ってコーヒーを入れてもらえることになる。僕は生まれて初めてそういう道具を見た。
僕は昔喫茶店でバイトをしていたことがあるけど、その店では20杯単位でネルでコーヒーをたて、お客さんが来るたびに再加熱して出していた。なんといってもネルでコーヒーを入れるのはネル自体の管理がとても大変。使い始めたら乾かすなんてもってのほかだし、洗剤がついてもだめ、一杯ずつ入れるのはとても不経済だ。
また、ネルでもペーパーフィルターでも同じなのだが、これらは(サイフォンと違い)入れるお湯の温度でコーヒーの味がまったく変わってくる。あまり高いと苦くなりあまり低いと酸味が強くなる。この店では何度くらいのお湯を入れているのかわからないが、とにかく僕の飲んだマンデリンはそのコーヒー独特の口の中に広がっていく苦味がなんともいえずうまかった。

豆は信頼できる某職人さんが焙煎したものを仕入れているとのことで、間違っても大手チェーンのものは使用しないそうだ。
マスターの持論によると、「コーヒー豆を焙煎するというのは本当に簡単なものじゃなく、最低20年修行を積んだ人じゃないと一人前とは言えません。自家焙煎というのは格好がいいだけですよ」だそうである。
スターリング
そしてもうひとつのこだわり「音」。
真空管(300B使用)のアンプにタンノイのスピーカー(スターリング)が設置されている。
昔からのオーディオ好きといったところで、マスター曰く「僕はオーディオのことはよくわからないんです、音楽が好きなもんで」といいながら、昔のオーディオの銘器といわれているものについてめちゃ詳しい。
なんといってもタンノイというメーカーのスピーカーはクラシックを聞くためのようなスピーカーで有名なブランド品だ。それも真空管アンプとの相性が良い。
いまどきメンテナンスの必要な真空管のアンプを持ってる人がどれだけいることやら・・・
このオーディオだけで100万円近くはかけていると僕は見た。
鳴らしている音楽はさまざまで、クラシック・ジャズからビートルズといったあたりがメインかと思った。
ただしコーヒー店なので大音量ということは無く、あくまでBGM。誰もいないところで大きな音を出してみたいシステムだ。
建物自体も凝っている。
専門の建築家に設計してもらったとのことで、天井が高くゆったりした雰囲気を味わえるだけでなく、音響にもとても優れている。

このお店、コーヒー専門店だけど、コーヒー以外に紅茶もケーキも一応揃ってるので、コーヒー嫌いの人でも大丈夫。
ただしアイスクリームやフルーツなどのデザート系は無く、ケーキが2・3種類だけなので他をあまり期待してはいけない。
大人の雰囲気でおいしいコーヒーを静かにそしておしゃれに飲みたいという人には絶好の場所。
またマスターとの会話も雑学メインに音楽や文学等の話題は特に詳しいので薀蓄を聞くだけでも飽きることが無い。

ただしこのお店、ワイワイガヤガヤ騒ぐお客さんや品のないお客さんは似合わない。また実際に僕も会った事がない。
そもそも携帯電話専用ボックスというのがあって、「店内で携帯電話はご遠慮ください」という札が置いてあるほど。
また、あまり品のないお客さんに対しては人当りの柔らかいマスターもまれに故意に嫌味をいうこともあるそうだ。
とにかく、本物の大人が至極の珈琲と音楽で至極のひと時をすごすことが出来る本物志向の落ち着いたお店。
僕の一押しの珈琲店だ。
MENU 価格 備考
珈琲 ブレンド 500 コロンビアベースだそうです。昔はブラジルベースだったのを変更したとのこと。
アメリカン 500
スペシャルブレンド 800 一杯立てのネルで入れてくれます。
コロンビア 500 独特の風味があるコーヒー
ブラジル 500 中庸な味
マンデリン 500 最初の一口の広がる苦味と甘さがたまりません。
キリマンジャロ 500 酸味に特徴があります。
ガテマラ 500 バランスのとれた味です。
モカマタリ 500 香りを楽しむならモカかな
ブルーマウンテン 800 コーヒーの王様
カフェオーレ 600 マスターが入れるところを見逃さないように
ウィンナーコーヒー 600
カプチーノ 700
アイスコーヒー 500
オ・レグラッセ 600 ミルクが下層、リキュール入りの珈琲が上層のきれいな2層アイスコーヒー
ブロン・エ・ノワール
(琥珀の女王)
1000 リキュール入りの珈琲が下層、生クリームが上層の2層の贅沢なアイスコーヒー。豆はブラジルベース。
紅茶 ダージリン 500
アッサム 500
アールグレイ 500
ウバ 500
アップル 600
ミルクティー 600
アイスティー 500
アイスミルクティー 600
果汁 グレープフルーツ 600
キャンベル 700 キャンベルアーリー(葡萄)
ピオーネ 800 葡萄はピオーネが一番好き。なんせ芳醇。
ケーキ ケーキ 400 そのときによって異なるが2・3種くらいある。シフォンケーキ・チーズケーキなど
営業時間  11:00〜23:00
定休日    無し


    

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